CLIENT INTERVIEW
クライアントインタビュー
自然と繋がる空間で、子供の成長を見守る
野海:田久先生、新しい園舎で運営を開始されていかがですか。
田久園長:子供たちがすぐに園庭に出ることができるようになりましたし、みんなで集まるお遊戯室もできたのでとても活発になったといいますか――それは顔とか動きに表れてきましたね。とても楽しそうです。
野海:良かったです。
田久園長:オープンスペースなので隣のクラスの子とも遊べますし、ちょっと覗けばどんなことをやっているのかなとすぐわかります。前の園舎ですと仕切られてしまっていて・・・。今は開放感いっぱいでいろいろな遊びが展開されています。年少・年中・年長とも顔を合わせることが増えましたね。年長さんと年少さんとでお店屋さんごっこをするとか。
お部屋のデザインにも無駄がないといいますか、子供たちが遊んでいてぶつかったりとか邪魔にならない造りが要所要所に見られました。例えばコップ置きとかタオルがけとか。どこの幼稚園さんもそれは業者から購入して、ある程度足が付いていたり、いろいろと場所は取るんですね。そういうところがなく設計されているので、子供たちは思う存分遊べるのかなと思います。
野海:ありがとうございます。今回は大きな教室を一つどんとつくるのではなく、そこに手を洗う場所や陽だまりベンチ(畳の場所)、オープンスペースなどを活動ごとに小分けにしています。先日うかがった時には、教室の中でスペースが分かれているため、同じ図工をするのでも違う作業ごとに使い分けているというお話を先生から伺ったりして、使い方も先生のアイデア次第で自由に変わるんだなと思いました。木造の園舎になって何か変化がありましたか。
田久園長:本当に廊下も広くて感触が柔らかくて。毎日木の香りを嗅いでいるので、子供たちは気持ちが良いでしょうね。それは自然を感じるといいますか、遊びとか態度に出てくると私は思います。保護者の方々からも「木の香りが凄いですね」という感想をいただきました。
野海:フローリング材については時間をかけて議論をして、働きやすさや情操教育を考えて柔らかい無垢材にしましたね。今回、モノトーンで建物や園舎をまとめていますが、完成後、子供たちの絵とかそういったもので毎回来るたびにいろいろなものが飾られていて、いつも楽しませていただいています。
田久園長:そうですね、廊下の壁の色のおかげで子供たちが作ったものの展示がすごく映えるんですよね。子供たちがいろいろな色を使いますのでモノトーンにしたことは満足しております。
あと、楠山設計さんは空調にもとても気を遣ってくださいましたよね。保護者の方も参観日に来た際、暑さ寒さを全然感じなかったようでした。ということは、ここで働く先生にとっても環境が良いということで、それだけ仕事ができる、集中できるんですよね。
野海:建具を開けておけば風通しもすごく良い場所ですよね。
田久園長:はい、教職員がやっぱり心地良いのが一番だと私は思います。先生が疲れちゃうと、良い保育ができません。事務所もカウンターがあるだけで違いますよね。こうしたところにも気を遣っていただいて。
野海:今回事務所はフリーアドレス制にしたんですよね。それでカウンターを設けて、エントランスホールからは子供たちが先生を見ることのできる、丸見えの事務室にしました。
田久園長:はじめは遠慮していましたが、今では子供たちは寄ってきますよ。こうした環境の中で先生方も何か自信を持てたというか、それは保育に全部つながっていく。保育ってそういうものなんですよね。やっぱり先生のストレスがない環境の中で子供たちが「先生、先生」って慕ってくれて自由に遊ぶ。その毎日の繰り返しの中、成長していくというのが幼児教育だと思います。
野海:これからもいわき短期大学附属幼稚園が先生方や子供たちとどのように年を重ねていくか、お話を聞かせてください。本日はありがとうございました。