CLIENT INTERVIEW
クライアントインタビュー
土地の特性を活かした丁寧な設計で、美しさと実用性を両立
鈴木:この建物を建ててから7年が過ぎましたが、ご感想をお聞かせ願えますか。
釈総住職:全世界に佛光山の別院があって工事も結構やってきましたが、こちらのお寺では回廊にガラスの窓をつけたことが一番印象的ですよね。寒い所や暑い所は、こういった2枚ガラスはすごく役に立ちます。群馬はすごく風が強いところですから、最初の設計の中で廊下のガラス張りは一番良かった。景観も綺麗だし、使いやすいと思いますね。うちの本山の長老が一番褒めていたのがこの回廊のガラスです。楠山設計さんも丁寧に設計してくれたし、使いやすい。全世界のお坊さんたちも結構褒めてくれたんですよ。良い出来上がりだと思います。
鈴木:ありがとうございます。いろいろな形のアドバイスをいただき、日本に馴染むような建物を住職さんと一緒に作れて良かったなと思っております。
釈総住職:日本での工事の仕上がりは丁寧なんですよね。扉もそうですが、密度がすごく良い。最後の仕上がりが丁寧なのはすごく印象的だと思います。本山の工事担当者が休みの日曜日に来たんですが、工事現場が整理整頓されて綺麗に揃っていることにびっくりしていた。台湾の工事現場は結構めちゃくちゃな印象です(笑)。やはり日本のそういった工事現場の指導者、高倉さんも一緒に指導してくださいましたが、いつも綺麗に維持できているのがすごく印象的ですよね。意外なところに注目したかもしれませんが、例えば柱の最後の地面に接触するところ。やっぱり日本人のそういうお仕事に対する姿勢が違いますね。最後まで綺麗に仕上げるところに感心しました。
鈴木:そうですね。今回の工事につきましては施工者、建設会社も一緒になって出来上がった建物だと思っています。
釈総住職:良い出来上がりだったから観光客が結構来るんですよね。皆さん、この空間に入ると自然に落ち着くというお話を結構もらいました。
鈴木:その後の使い勝手はどうでしょうか。
釈総住職:柱の亀裂が少ないところにびっくりしたんですよ。普通なら5年経つと亀裂が出てくる。特にこちらは雪も多いし夏もすごく暑かったりするけど、結構そのまま維持できている。すごい工事のレベル、質が高いという証拠ですよね。また、バリアフリーですから、老人ホームの皆さんも良い天気の時はここに遊びに来るんですよ。良いものができたから世界の皆さんも見習いに来るんですよ。良い出来上がりの証拠じゃないかと思う。
鈴木:先日も群馬県の文化人の方のコンサートがあって、その時もまた一般の観光客の方も一緒になっていた。段々と地域が盛り上がってきていて良いなぁと思っています。これからも建物だけじゃなく、住職さんたちの方で春は桜、牡丹というような形で季節の花を植えて、敷地全体が緑に囲まれて、歴史のあるお寺になっていければなと思っています。
釈総住職:お寺全体が芸術館みたいな感覚がずっとあるんです。説法するだけじゃなくて、仏教は芸術とすごく結びついているんですよね。日本の仏教もそうなんですよ。歴史上でも実はいろいろな綺麗な建物、仏像などの美術品等が残ってきた。だからこのお寺全体のエリアが美術館みたいな感覚になれば一番良いかなと思っている。
鈴木:今後もいろいろな展示場や美術館などの計画予定があって、現在私どもでも次の計画を進めているところですが、これからも携わっていければと思っています。
釈総住職:そうですね。
鈴木:楠山設計が設計・監理をさせていただきましたが、ご感想はいかがでしょうか。
釈総住職:何点かあるんですが、まずは、すごく丁寧に考えてくれるというところです。こだわりがある設計士がいるんですよね。楠山設計の一番のポイントは、お客様を思う気持ち。私たちを思ってくれるのが一番ポイントですよね。使う人にとって、どうすれば一番使いやすいか。外国人にとって何が一番で何が難しいかとか。あの時は一番印象的でした。日本のお風呂は温度設定されるんですが、実は海外の皆さんは利用しにくいんですよ。使い方がわからないので、一番簡単なものの方が良いんじゃないかと提案したらすぐに意見を認めてくれた。お客様の気持ちを考えて設計するのは今の時代、一番合っているんじゃないかな。生活は美術館じゃないから、利用する人にとって何が一番使いやすいのかを考えてくれる。本当に付き合いやすいし、一緒にアイデアを出してくれて、今は皆さん利用しやすく、来やすいところになってきているなと感じています。おかげ様です。
鈴木:ありがとうございます。おかげさまで次の計画もあり、楠山設計は佛光山様と今後ともお付き合いさせていただければと思っております。私も孫を連れてきたいと思っていますので、よろしくお願い致します。